女性更年期障害について

女性に更年期はかならず訪れます。
女性の更年期とは閉経の前後10年間のことを言います。
そのときに、多かれ少なかれ心身の不調が起こるのが更年期障害です。

更年期障害の当事者様は周囲になかなか理解されず、
ひとりで悩んでいたりしないでしょうか?

このページでは、私の体験を踏まえて、
女性の更年期障害の仕組みや対処法について読み解いていきます。
少しでも、皆さんの参考になれば幸いです。

目次

更年期指数 ~これに当てはまる人は要注意!~

チェックシート

女性更年期障害。テレビでもよく取り上げられているので名前だけでも知っている人は多いのではないでしょうか?
でも、具体的にどんな症状があるか言える人は少ないと思います。
お医者さんが使っている更年期指数(SMI)というものがあります。
まずは、あなたやご家族の症状がこれに当てはまるかどうか、確認してください。

症状

総合評価

0~25点 異常なし
26~50点 食事、運動に気をつけ、注意をしましょう
51~65点 更年期・閉経外来を受診しましょう
65~80点 長期間にわたる計画的な治療が必要
81~100点 各科の精密検査にもとづいた長期の計画的な治療が必要

これはあくまで簡易指標です。
例え、点数が低い方でも、ひとつでも気になる症状があれば、注意が必要です。

私の最初の症状は、ほてりと発汗でしたが、徐々に気分障害へと移行していきました。

なぜ女性は更年期障害になるのでしょう?

少なくなるエストロゲン

女性は作れる卵の元の数が生まれた時から決まっています。
成長するにつれて、その数は少なくなっていきます。

卵がなくなると月経が止まり、閉経が訪れます。その前後にいわゆる更年期障害と呼ばれる症状が現れます。
これは、閉経にともなって卵巣が老化し、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が出なくなっていくからです。
エストロゲンはからだのいろいろな機能をになう役割を持っています。
そのエストロゲンが少なくなると、当然、今まで働いていたはずの機能がうまく働かなくなっていきます。

自律神経の不調

それだけでは終わらず、エストロゲンが減ると脳は卵巣にエストロゲンをもっと作りなさいと信号を送ります。

すると、脳が異常に興奮して、自律神経の調節がうまくいかなくなってしまいます。
このことによっても、からだと心の不調が起こってしまいます。
これが、皆さんを悩ます更年期障害の正体です。

女性更年期障害、放っておいたらよくない?

女性更年期障害はいずれはよくなると言われています

実は女性の更年期障害は一定の時期が経過すると軽快すると言われています。
これは、女性ホルモンとは別に卵巣で作られる男性ホルモンの働きが強くなるからだそうです。
しかし、更年期障害は仕事や家庭由来の心的ストレスが影響していると言われていて、ストレスと折り合いがつかないと更年期障害は悪化してしまいます。

メタボリックシンドロームや骨粗しょう症との関係

また、更年期障害はメタボリックシンドロームと合わさり、糖尿病などの生活習慣病になりやすくなるとも言われています。
骨粗しょう症を引き起こして、骨折の危険性が上がってしまうことも考えられます。
このように、更年期障害は長い老後を見すえると、決して無視できない問題のひとつなのです。

女性更年期障害を軽くするにはどうしたらよい?

現在は私の症状は落ち着きましたが、ひどかったころは以下の方法を試しました。

  • ・適度な運動をする
  • ・食生活を見直す
  • ・お医者さんにかかる
  • ・サプリメントを摂る

では、ひとつずつ、説明していこうと思います。

適度な運動をする

適度な運動は女性の更年期障害に有効だと言われています。
ランニングなどの有酸素運動は骨密度増加。
スクワットなどのレジスタンス運動は筋力の向上、血中脂質、骨密度への効果があると報告されています。
また、イライラなどの気分障害をともなっていたときのストレス発散にもなります。

ただし、もうすでに症状が進んでしまっていて、動くことすらおっくうという場合には難しい対処法かもしれません。
私も、更年期障害という診断が下ったときには大好きな趣味のガーデニングすら身が入らない状態で、運動どころではありませんでした。
スイミングをはじめたのは、ある程度、症状が緩和されてからのことです。
症状が軽い、もっと早い時期からはじめていたら、結果はちがっていたかもしれません。

食生活を見直す

和食

バランスのよい食生活を心がけることは更年期障害を軽くする上で重要です。
ミネラル、食物繊維、ビタミン類や抗酸化物質を多く含む食材を積極的に摂ることによって、健康維持に期待が持てます。
健康的な食生活をおくるために『まごわやさしい』という語呂合わせがあります。
これは、7つの食材の頭文字をとった言葉で、これらを使って料理を作ると自然とバランスのよい食事になるというわけです。

豆(大豆、あずき、黒豆などの豆類)
たんぱく質やミネラルが豊富です。
ゴマ(ゴマ、アーモンド、ピーナツなどの種子類)
たんぱく質、脂質、ミネラルが豊富です。抗酸化物質も含みます。
わかめ(わかめ、ひじき、昆布などの海藻類)
カルシウムなどのミネラルが豊富です。
野菜(ほうれん草、トマト、キャベツなどの野菜類)
カロテンやビタミンCなどの抗酸化物質が豊富です。
魚(青魚やシャケなどの魚類)
DHAやEPAなどの魚油が豊富です。
しいたけ(しいたけ、しめじ、エリンギなどのきのこ類)
食物繊維、ビタミン類、ミネラルが豊富です。
いも(じゃがいも、さつまいも、里芋などのいも類)
炭水化物、ビタミンC、食物繊維が豊富です。

中でも、豆の1種の大豆にふくまれる大豆イソフラボンにはエストロゲンに似た作用があります。
これを摂取することは女性の更年期障害の症状緩和に有効であると報告されています。

でも、食生活を見直すのも家事をするのに支障が出るほど症状が進んだ場合では、難しくなるでしょう。
私もひどいときは、毎日の献立を考えるのもおっくうでした。
そんなときは、すべてを完璧に摂ろうとは考えずに、無理のない程度で少しずつ摂るというスタイルでいけばいいかもしれません。

ただし、後でサプリメントについてお話するときに説明しますが、大豆イソフラボンといった1種類の栄養素を許容範囲を超えて摂るのはおすすめできません
あくまで、バランスよく食事をすることを大事にしましょう。

ストレスのない生活を心がける

  

こうしたほうがいいとわかっていてもなかなかできない難しい方法です。
更年期の女性は家事とお仕事の両方をこなされていらっしゃったり、ご家族の介護をされていたりとストレスが常日頃からつきまとうことが多いからです。
また、それまで子育てをしていらした方が子供が独立することによって生きがいをなくして抜け殻状態になってしまうこともあるかもしれません。
慢性的な疲れや気苦労のほかに人生の転機や心境の変化もストレスにつながりやすいのです。

大事なのはおひとりで何もかも抱え込まないことです。
悩みがありましたら、ご家族やお友達にご相談されてください。
そして、何か熱中できる気晴らしを見つけることも大事だと思います。
少し、症状がよくなってからのことですが、私は香りのエッセンシャルオイル(精油)を使ったアロマという楽しみを見つけました。
今ではガーデニングやインターネットめぐりと同じくらい自分にとってお気に入りの趣味になっています。

お医者さんにかかる

生活習慣を見直しても改善が見られない。もうすでに症状が進んでしまっている。
ここまで来てしまったなら(あるいは早いうちに)、やはり婦人科にかかったほうがいいでしょう。

診察は大体、以下の流れで行います。

問診(SMIや病歴の確認などを行う)

  • 検査
  • ・血圧、身長、体重測定
  • ・内診(膣から器具を入れて、膣や子宮に異常がないか調べる)
  • ・乳房検査(触診、マンモグラフィーまたは超音波診断法)
  • ・血液検査(血液中のホルモンやホルモンの元になる物質の量を調べます)

これに加えて、病院によっては骨密度の検査や心療内科的診断を行う場合もあります。
検査項目については医療機関の設備によって変化が生じる可能性があります。
診断が確定したら、主に以下のようなことをします。

  • ・ホルモン充填療法
  • ・漢方療法
  • ・その他の薬物療法
  • ・カウンセリング・心理療法

今まで、婦人科に行ったことがあまりないからどんなことをするのか不安。
こう思う人がほとんどでしょう。私もそうでした。
なので更年期障害の治療がどんなものか、ここで簡単に説明しようと思います。
ただし、ご自身の健康状態や医療機関の治療方針などによって内容は変わってくると思いますので、最終的には医療機関とよく相談した上でご検討ください

ホルモン充填療法

加齢で少なくなったエストロゲンを飲み薬、張り薬、塗り薬などで補充していきます
保険が適用され、また、世界各国で高い安全性と有効性が報告されています。
ただし、長期間にわたって治療を続ける場合、エストロゲンのみを投与すると子宮内膜が増殖してがんになる恐れがあるとされています。

なので、黄体ホルモンをいっしょに服用して、月経のような出血を起こし、子宮内膜をきれいにすることでそれを防ぎます(子宮を摘出した人や短期間のお試し期間の人は使いません)。
胃のむかむかや胸の張りなどの軽い副作用や服用してはいけない禁忌(脳卒中になった人は行えない、など)がありますので、医療機関とよく相談した上でご検討ください。

漢方薬

イライラする、疲れがとれない、などの何となく体調が悪いという自覚症状にしばしば適用されます
からだ全体の調子を整えることで、更年期障害を改善していきます。 ホルモン充填療法との併用が可能です。

ホルモン充填療法よりも抵抗が少ない印象がありますが、医療機関によっては保険適用される場合とそうでない場合があります。
また、副作用や禁忌がありますので医療機関とよく相談した上でご検討ください。

その他の薬物療法

イライラやゆううつな気分などの症状に応じて、抗うつ薬や向精神薬などを用います。

カウンセリング・心理療法

更年期障害は歳をとったことへの不安、家庭や職場などのストレスが影響していることがあるので、薬物療法とともに用いられる場合があります。

私の体験

お医者さんにかかるのなら、ご自身が納得のいくまでよく相談してください
そして、必要であればセカンドオピニオンを利用してください。

私が最初に訪れた病院では、私の年齢が若いという理由だけで(当時42歳)検査もせずに問診だけで帰されました。
次の別の病院での確定診断まで時間がかかったので、症状が長引く結果となってしまいました。
ここを訪れている皆さんには私のように長く苦しんでほしくないので、どうか賢い選択をされることを願います。

サプリメントを試すうえで注意してほしいこと

食生活を見直したいけれど、忙しくて時間がない。 まだそれほど症状が重くないし、病院に行くのには抵抗がある。
そんな人にはサプリメントの摂取が便利でしょう。

でも、サプリメントを試す前にちょっと待ってください。
サプリメントは手軽な面もありますが、注意すべき点もあります。
これらを正しく知り、自己責任の範囲でサプリメントを有効に使ってほしいと願います。

大豆イソフラボンの有効性と危険性

大豆イソフラボンの作用

大豆に含まれる大豆イソフラボンの構造はエストロゲンと似ているために、体内でエストロゲンの代わりに機能を発揮することが知られています。
この作用により、大豆イソフラボンは更年期障害の緩和補助に働きかけると言われています。
これに目をつけ、大豆イソフラボンを濃縮・強化した健康食品やサプリメントが数多く売られています。

大豆イソフラボンを摂りすぎてはいけない

これらの商品は大豆イソフラボンだけを摂るという面で見れば、効率の良い手段として利用できると思います。
でも、思わぬ落とし穴があることも考えねばなりません。
女性の更年期障害によいとされている大豆イソフラボンですが、摂りすぎは害につながるという報告もされています

イタリアの報告では、閉経後の女性が1日当たり150mgの大豆イソフラボンを5年間続けて摂り続けると、子宮内膜増殖症の発症が優位に高かったそうです。
また、乳がんを増進させる可能性があることから、乳がんの病歴がある人やその家族は大豆イソフラボンの摂取を制限すべきとの指摘もあります。

これらのことを受けて、内閣府の食品安全委員会は安全とされる大豆イソフラボンの
1日摂取目安量の上限を70~75mgと設定しました。
これに加えて、特定保健用食品(トクホ)としての大豆イソフラボンの安全な1日上乗せ摂取量の上限は30mgとされています
大豆イソフラボンを健康食品やサプリメントで摂るのなら、商品の成分表をよく確認して、推奨する摂取量を守ることが大事でしょう。

余談ですが、大豆は大豆イソフラボンだけでなく、良質なたんぱく質を多く含んでおり、日本人に不足しがちなカルシウムの供給源としても優れた食品とされています。
上手に取り入れて、バランスのよい食生活をすごしましょう。

ザクロの効果をうたった商品

かつて、更年期障害に効果があるとされた食品でザクロがありました。
これはザクロに含まれるエストロゲンが女性の更年期障害によいという、
うたい文句をもとに広まったものです。

しかし、2000年の国民生活センターの報告によれば、日本で市販される
果実を含めたザクロ食品からエストロゲンは検出されなかったようです。
これでは、エストロゲンの補充を目的とした効果は期待できそうにありません。
ザクロはビタミンCやカリウムといった栄養素を豊富に含んでいるために、
それによる健康への影響はあるかもしれません。
ただし、エストロゲンそのものに直接働きかける効果はうすいと考えられます。

このように、なかには効果の信憑性が乏しい商品も出回ったりします。
これを避けるためには、商品の成分表をよく確認することが大事でしょう。
疑問点があれば、消費者センターに相談するのも手です。

おわりに

女性の更年期障害の仕組みや対処法についてご説明しましたが、 あなたのお役に立てたでしょうか?

ここに来られるのは、今まさに更年期障害で悩んでいらっしゃるご本人様、 あるいは、大切な人が更年期障害なのではないかと考えていらっしゃるご家族と、 さまざまな方々がおられるのではないかと存じております。

私の言葉はたくさんあるなかの一意見にすぎませんが、 それでも、同じ悩みを持つ誰かのためのひとつの道筋になることを願います。
更年期障害の症状が出始めてから改善のきざしが見え始めるまでたくさんの方法を試しました。
どの方法が一番いいとは一概に言えませんが、 いずれも早めの行動が大事なのではないかと考えております。

おひとりで悩まれているのであれば、お医者さんやご家族や身近な人に相談してください

更年期障害は女性であれば、だれでも起こりうることです。
恥ずかしいことでもないし、責められることでもありません。

たった一度きりの人生です。どうせなら、心もからだも健やかに過ごされませんか?

更年期障害がおさまった今、私はバラの植え替えが楽しくて仕方がないです。
それでは、またどこかでお会いしましょう。